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切削加工による金属の歪みの原因とその対処方法

2021年09月23日
切削加工による金属の歪みの原因とその対処方法

素材に大きく負荷がかかる切削加工は、場合によって金属に歪みや反りなどの変形が生じることも。

金属加工おいて変形への対策は常に課題であり、精度の高い製品を製造するためには、積み重ねた経験と熟練の技術が必要となります。

この記事では、切削加工によってなぜ歪みが起こるのか、その原因と対処方方法についてご紹介します。

切削加工の歪みの原因

切削加工の歪みの原因

切削加工を行う上で、加工部品の精度が悪くなってしまう要因の一つが金属の歪みや反りによる変形です。
では一体どうしてこのようなことが起こってしまうのでしょうか。

切削加工の歪みにおける主な原因は、以下のふたつです。

  • 材料と製品構造の影響
  • ワーククランプによる変形

ここではそれぞれの原因について、具体的に解説いたします。

原因①:材料と製品構造の影響

金属の変形の大きさや複雑さは素材の厚みに比例し、またそれだけでなく材質の剛性と不純物の有無にも比例します。

一般的に部品を設計するときは、予めこれらの要因を鑑みて設計を行い、ワークピースの変形に与える影響を減らす必要があります。

また大きなブランクなど、変形の大きな要因をもたらす加工は先に行うことも。
どういった順序で進めるか、加工工程にも工夫が必要となります。

原因②:ワーククランプによる変形

加工を行うと金属に残留応力や切削抵抗が発生するため、それらを考慮してクランプ点と支持点を一定に保つ必要があります。

残留応力は外力を除いた後も物体内に残る応力のこと。加えられる力が大きいと残留応力も大きくなり、その影響で変形も大きくなってしまうのです。
特に硬い材料は加工時にかかる負荷が大きくなり、上記の原理によって反りや歪みが生じやすくなります。

また、加工に対して部品の剛性が足らない場合もクランプ変形を起こす原因となります。
小型のワークの場合は、ワークピースとチャッキング間の接触面積を増やすことと使用されるXYZ軸方向のクランプ力を考慮必要があります。

ワークをクランプするときは、正しいクランプ点と適切なクランプ力の選択が常に求められるのです。


これらの他にも、熱が加わることによって生じる熱変形などがあります。

金属は熱すると膨張し、冷えると縮む性質をもっているため、鋳造や溶接加工といった金属加工も歪みが起こりやすい加工といわれています。

切削加工で歪みが起こりやすい金属とは? 

板、リング形状問わず、素材の薄いものは変形が生じやすくなります。

理由は素材が薄いと加工時に切削抵抗や残留応力の影響が受けやすく、チャックの強さが加工品に影響を与えてしまうからです。

薄く大きいものほど影響を受けやすいので、そういった素材を加工する時は慎重に加工方法や順序を判断していきます。

切削加工の歪みを防ぐ対処方法

切削加工の歪みを防ぐ対処方法

素材に大きく負荷がかかる切削加工は歪みや反りの変形が起こりやすいため、対策を考えるのも重要です。

そんな加工ノウハウにおいて、歪みを防ぐ対処方法をいくつかご紹介します。

適切な熱処理を行う

熱処理とは、金属を加熱し冷却すること。代表的なのはアーニング(焼きなまし)やサブゼロ処理などです。
素材の形を変えるのではなく、素材の特性を変化させるために行います。

こうして適切な熱処理を行うことで素材自体の残留応力を除去し、結晶組織調整を行うと金属は歪みにくくなります。

特に変形が生じやすい素材の薄いものに関しては、両方向からの加工を何度調整して行う必要があります。
チャックについても小さな力でチャックを行うことで、歪みを最小限におさえます。

加工許容値の設定

設計や製造でどんな工夫を重ねても、どうしても歪や反りは生じてしまいます。
あらかじめ現実的な範囲での公差値を緩和する検討も時には必要に。

適切な加工許容値を設定し、低速送りで削りしろを少なくすることで、切削による変形や過剰な温度による変形を低減します。

加工プログラムの作成

加工に関わる一連の流れは、加工プログラムを作ることで実行できます。
素材の変形をおさえるためにも、適切なプログラムを作ることが必要です。

複雑とされる曲面加工の場合は、適切な固定治具から作成することも。
ワークピースのクランプ力のバランスを取り、残留応力を分散しながらワークピースの変形を減らす必要があります。


切削加工での歪みや反りなどの変形は程度の差こそありますが、必ず生じるもの。
この変形を限りなく少なくできるかどうかは、製造サイドの技術の良し悪しに大いに関係します。

必要なのは、経験に裏付けされた判断力と技術力です。
加工を行う度に、どうすれば歪みがおさえられるか、素材の種類や加工形状によって適切な判断が求められます。

適切な加工技術選択や素材処理の判断ができるのも、熟練の経験があるからこそ。
阪井金属製作所では経験豊富な職人がそろい、精度の高い部品を製造しております。

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