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金属加工について

2020年11月30日

金属加工といっても現代では多岐に渡り様々な種類があります。金属素材に「削る」や「穴を開ける」事もそうですが、橋や列車を作るためにも金属は必要です。まずは金属と金属加工の歴史について少しお話します。

金属と加工の歴史

諸説ありますが人類最初の金属は金ではないかと考えられています。金は自然界の中で塊を採掘出来ます。その他の金属は元の素材に熱を加えるなどの工程が必要です。

自然に発見出来、熱が加わり塊として発見出来る金属は隕石の中にありますが、これはレアケースと言えます。金は塊で発見出来る上、純金は展延性に優れています。簡単にいうと叩いて伸ばして形に出来るといった加工が出来ます。

道具は石でも良かったので人類最古の金属加工ではないかと考えられています。

自然界に塊で存在する金は希少性が高く、現在でも高価ですがその当時の権力者など限られた用途の金属であったと考えられています。

その後、火を使う技術や採掘鉱石に熱を加えれば金属が取り出せる事がわかり、金属の種類が飛躍していきます。初期は銅であったと考えられています。銅は柔らかく金と同じ装飾品などに使われることが多く、その後スズを加えた青銅が作られます。青銅は銅に比べ固く刃物に使える用途が見いだされ、剣などの武器の生産が始まります。

銅の採掘は場所が限らており、日本でも銅山など戦国武将が管理していたなど、当時はまだ希少性が高い金属です。

大昔の金属加工の種類は型に流し固める方式が主流です。その後、鉄の精錬が始まります。鉄の原料は容易に入手が出来るため、安価で硬さもあり加工性も良いことから一気に普及していきます。日本でも古くから鉄の加工は行われており、有名で高度な金属加工は刀の製造です。良質な鉄を厳選して熱を入れて溶かし、叩いて冷却また加熱を繰り返し鍛えていく、そして固く柔軟性もあり研ぐことによって切れ味も鋭くなる。その当時は世界に類を見ない技術だと思います。

なぜ硬いだけではダメなのでしょうか、武器としては硬いだけでは限度を超える衝撃に弱く折れてしまいます。ある程度の柔軟性をもたせ衝撃を逃し、折れなくする事も必要になります。この技術は現代でも鉄に熱を入れる処理、焼入れにも応用され焼入れ・焼戻しなどがなどの処理に応用されております。

その後世界は産業革命と戦争により金属の種類は大きく発展を遂げます。金属加工技術も金属の種類と金属造形の大きさにより大きく発展をとげます。

金属造形の大きさとは何を指すのかと言うと機関車や戦車など大型の金属製品が開発された為です。

近代の金属技術はどうでしょうか。金属の特殊化と非金属の発展によって日々進化しています。産業革命時と異なり大きなものから小さなものへと進化を重ね、極小や薄いものの金属加工技術が日々進化しています。これはパソコンやスマートフォン、医療技術のナノテクノロジー・ドローンなどの発展により、小ささや薄さ軽さなどが求められているからです。

最新の技術としては3Dプリンタ等の3D金属造形が最新の金属加工技術です。まだ安価に量産加工に出来るまでに至っておらず、簡易形状などは他の加工の方が時間当たりの生産量は多く、熱処理や精度が要求される部品の供給には至っておらず、これから発展が期待されます。

金属加工の種類と技術

大きく分けると3種類になります。

  1. 削る・切り取る・穴をあける(除去加工)
  2. 変化させる(変形加工)
  3. 表面に処理をする(付加加工)

種類ごとに少し詳しく見ていきましょう。

除去加工
切削
(刃物により金属を削る方法)旋盤加工・フライス加工・穴あけ加工
研削
(砥石により金属を削る方法)平面研削・円筒研削
砥粒研磨
(砥粒により金属を削る方法)ラップ加工・バレル加工
放電加工
(電極と金属の間で電気を流し溶かす方法)ワイヤ放電加工
切断加工
(高エネルギーで切断する方法)レーザー切断・ガス切断・ノコ切断

切削とは金属を削る・切り取るという意味です。現代の切削加工は工作機械で行われる事がほとんどでNC旋盤やマシニングセンタが使用されております。

NC旋盤とマシニングセンタの違いはなんでしょうか、金属を回転させ刃物を当てて削るのがNC旋盤です。刃物を当てて金属を削るのがマシニングセンタです。

 

NC旋盤は金属を回転させ削るので基本的に丸いものを加工します。回転に沿って削るので精度の高い円加工が出来き、円形上の部品や回転する部品加工に適しています。

マシニングセンタは金属を固定し刃物が回転して金属を削ります。NC旋盤に比べ刃物自身が削り、刃物を動かすことが出来ます。形状の自由度が高く、四角や楕円形状にも動き複雑な形状の加工が出来ます。NC旋盤に比べ自由度は高いのですが、金属が回転し削る加工に比べて、円形状の加工精度は劣る傾向にあります。角・板形状の加工にはとても適しています。現在は両方の特性を持った複合加工機なども開発され精度の高い加工が実現出来ます。

成形加工
鋳造
(金属を溶融し型の中で凝固させる方法)重力鋳造・ダイカスト鋳造・低圧鋳造・ロストワックス
塑性加工
(金属を大きい力で変形または切断し形状にする方法)自由鍛造・型鍛造・押し出し・引き抜き・圧延・曲げ加工・深絞り加工
焼結加工
(金属粉を型に入れ焼結する方法)焼結加工
付加加工
(金属を付加して形状を作る方法)積層造形・光造形

鋳造は金属を溶かし型に入れ形にすることです。この加工は遺跡発掘からも発見され古くからある加工と考えられています。それに比べ焼結は金属粉末を型に入れ、高い圧力を使い成形その後、焼結炉に送り熱を加え焼き固める加工です。鋳造に比べると比較的新しい加工方法です。

付加加工とは3Dプリンタを使った加工です。積層造形とは下から形を積み上げて行く方法で、積層する厚さによって精度が大きく変わります。光造形は積層造形に比べ精度は出ますが素材に制限があります。積層造形の素材は技術進化もあり選択できる素材は多くなっています。近年では人骨に骨置換できる素材を3Dプリンタで成形し欠損した部位に取り付け時間が立つと骨置換できる技術も研究されております。

接合加工
材質的結合
(金属同士を結合する方法)接合・溶接・圧接・ロウ付け・ハンダ
機械的結合
(金属同士を止める方法)ボルト締め・カシメ・焼バメ・圧入
化学的結合
(電気や薬品を使い金属の表面や部品同士を結合する方法)接着・蒸着・メッキ

材質的結合とは金属などを溶かし金属同士を結合することです。溶接などが一般的です。

溶けた金属を着けるため最初と最後で温度差が生じ、傾きや変形などが生じやすいのですが、技術の進化により精密溶接等の精度の高い溶接もあります。

機械的結合とはネジ止めが一般的です。ネジの原型の螺旋構造は水ねじとして古代、灌漑や船底の水の汲み上げに使用された事が発見されており、レオナルド・ダ・ビンチによってネジを部品化したことにより、締結用部品の利用が広がったと言われております。

その後、英国の技師により精度の高いネジの生産技術が一般的に普及したため、工業製品が広く使われる様になったと言われております。

ネジを使うことにより部品を移動して組み立てが出来る様になり、大きなもの建設や部品製造と部品組み立てを別工程にする事で効率化を上げるなど、産業の発展に大きく寄与しています。ネジも進化を重ねハードディスクなどに使われる極小ネジや、医療に使われる人体に入れても生体反応に順応できるネジなど色々なネジで開発や研究がされいます。

 

化学的結合とは一般的なものでは瞬間接着剤です。使用すると科学的結合する姿が目に見えてわかると思います。

金属部品での科学結合とは鉄の金属部品やアルミ部品などをユーザーが目にするものは、ほとんどメッキなどの表面処理が施されています。サビを抑える・強度を上げる・見た目を良くするなど効果はそれぞれです。スマートフォンなどの最先端技術基板は特殊な表面処理や外装への美しい表面処理など現在ではなくてはならない加工技術です。

金属加工の将来

今後どのような進化を遂げるのでしょうか、現在の最新技術は加工技術の融合です。

最新工作機械では3Dプリンタのようにレーザー溶解・積層造形を行いながら、精度の必要なところは切削加工を行うなど複数の加工技術を組み合わせたものも開発されています。

さらに未来ではどうでしょうか。ここからは個人的な考えです。金属を分子単位で認識・分離を出来るようになり、それを決められた箱(区切り)の中に3次元的に配置する、配置された分子を科学的に結合出来れば3Dプリンタの様に立体的に金属製品が製造出来る様になるのではないかと考えています。最初は分解する分質が必要になると思いますが、元になる分質もいらなくなるかもしれません。遠い未来の話だとは思いますが。

しかし現代でも昔あった技術、例えばダマスカス鋼など現代の技術でも解明が出来ない技術があります。どんなに加工技術が進化しても人の手による金属加工技術はなくならないと考えています。

金属加工の技術はこれからも進化を重ね私達の生活をより良く便利するために、人類に夢や人の思いがある限り発展し続ける大切な技術です。

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