金属加工技術の種類|適切な技術選択のポイント

2023年9月29日
金属加工技術の種類|適切な技術選択のポイント

金属加工技術は、金属材料を加工して所定の形状や寸法に仕上げる技術の総称です。この金属加工技術にはさまざまな種類があり、目的に応じて適したものを選ぶ必要があります。

そこで、今回は金属加工技術にはどのような種類があるのか、代表的な加工技術はどのようなものかをご紹介します。

また、金属の材料や形状、製品の量産性や経済性など金属加工技術を選択する際のポイントもお伝えします。

金属加工技術とは?

金属加工技術とは、金属を切削・成形・加熱・加工などの技術で、所定の形状や性質に仕上げることを指します。この金属加工技術は、金属の材料を加工して製品や部品を製造する際に広く用いられています。

金属加工技術の種類は多岐にわたり分類の方法もさまざまですが、一般的に「形を作る金属加工技術」と「性質を変える金属加工技術」の2つに大きく分けることができます。

以下に、金属加工技術を分類したものを示します。

形を作る金属加工技術

金属を特定の形状や寸法に削り取る・曲げる・成形するなどの工程を通じて製品を形成する技術です。

機械加工 切削加工 旋盤加工
フライス加工
穴あけ加工
研削加工 円筒研削
平面研削
特殊加工 放電加工
レーザー加工
ワイヤー加工
ウォータージェット加工
塑性加工 プレス加工 打抜き
曲げ
鍛造 自由鍛造
型鍛造
  転造
鋳造 砂型鋳造
ダイカスト
その他 粉末治金
金属3Dプリンター

性質を変える金属加工技術

金属に熱や化学的な処理を行うことで、その性質を変化させる加工技術です。

熱処理 焼入れ、焼戻し
焼ならし
焼なまし
浸炭
表面処理   めっき
化成処理 りん酸塩処理
クロメート処理

金属加工技術を詳しく

ここからは上記でご紹介した種類が多岐にわたる金属加工技術をさらに細分化し、その中で代表的なものを詳しくご紹介します。

除去加工

金属加工技術の種類:除去加工

上記でご紹介した「形を作る金属加工技術」の「機械加工」のうち、切削加工、研削加工、そして特殊加工の一つである放電加工が“除去加工”に分類されます。

その名の通り、除去加工は不要な部分を除去して目的の形へと加工し部品や製品を作る技術で、金属加工技術の中でも需要が高いものです。

切削加工

切削加工とは、金属や他の材料を工具を使って削り取る加工技術のことを指します。切削加工は、工具の刃を材料に対して相対的に移動させることによって材料を削り取り、希望の形状や寸法に仕上げていきます。
切削加工もさらに細分化されますが、代表的なものは「旋盤加工」「穴あけ加工」「フライス加工」の3つです。

研削加工

研削加工は、回転する砥石を使い、硬い材料や高精度な加工が必要な材料を削り取る加工技術です。
主に回転対称となっている形状に行われるもので、円筒状の材料の外径や内径の加工に使用されます。また、工作物の表面を滑らかに仕上げるのにも適しています。

放電加工

放電加工とは、電極とワークの間で連続的に放電を繰り返してワークを融解する加工方法です。
硬度が高く複雑な形状や細かなディテールを持つ部品の加工に特に適しています。

成形加工

金属加工技術の種類:成形加工

除去加工は材料の一部を削ったり切り取ったりすることで目的の形を作っていましたが、成形加工は金属に圧力や熱を加えて変形させ目的の形状にしていきます。塑性加工とも呼ばれます。

成形加工は、材料の性質を変えずに加工を行うため、除去加工に比べて材料のロスが少なく、精度や寸法の安定性が高いという特長があります。

プレス加工

プレス加工は、金属などの材料を専用のプレス機械を使用して特定の形状に成形する加工技術です。プレス機械が高圧をかけることで材料を圧縮し、所望の形状に加工します。
一般的に、プレス加工は薄板状の材料を使って行われ、大量生産に適しています。

鋳造(ちゅうぞう)

鋳造は、金属などの材料を溶かし、型に流し込んで冷却・固化させることで特定の形状に成形する加工技術です。鋳造は古くから行われており、さまざまな産業分野で広く使用されています。

鍛造(たんぞう)

鍛造は、金属を加熱してからハンマーなどを使ってたたき、大きな圧力をかけながら特定の形状に成形する加工技術です。熱や圧力により金属の結晶構造が改善され、耐久性や耐摩耗性が向上します。

付加加工

金属加工技術の種類:付加加工

付加加工とは、複数の部品や材料を接合して一つの製品を形成する加工技術の総称で、接合加工とも呼ばれます。切削や成形などの加工技術とは異なり、既存の部品や材料を組み合わせて新しい製品を作る手法です。

溶接

溶接は、金属部品を加熱して溶かし、それを再び固めて接合する加工技術です。溶接によって、複数の金属部品を一体化させたり、金属部品を補強したりすることができます。
近年の溶接技術は非常に高度に発展しており、複雑な構造の製品を製造する際に活用されています。

接着・ろう付け

接着・ろう付けとは、物体同士を接合する際に接着剤やろう材を使用する加工技術です。
接着剤にはさまざまな種類があり、材料や用途に応じて適切な接着剤を選択することが重要です。

金属加工技術を選択する際のポイント

金属加工技術を選択する際のポイント

金属加工には多くの種類がありますが、どのようなポイントで適切な技術を選択したら良いのでしょうか。

材質

金属はそれぞれ独自の物理的・化学的特性を持っており、加工の難易度や適切な加工方法が異なります。

例えば、軟鋼やステンレス鋼などの一般的な鋼材は切削加工(旋盤やフライス盤)や溶接に適しています。また、鋼材は冷間鍛造によって形状を変えることもできます。アルミニウム合金は切削加工やプレス加工に適し、鋳鉄は型に流し込んで所定の形状の部品を製造することができます。

このように、各材質に適した加工方法を選択することで、高品質な製品や部品を製造することができます。また、材質によっては特定の加工が難しく高い技術を要する場合もあります。

形状

金属加工は、形状によって可能な技術とそうでないものとがあります。

例えば、大量生産向けでシンプルな形状のものを加工したり、パーツを効率的に加工したりするのにはプレス加工が向いていますが、複雑な金属加工には最適であるとは言えません。

一方、フライス盤は多軸制御できるため、3次元的な形状や複雑な曲面加工にはフライス加工が適していると言えます。

近年では、金属加工技術の進化により、従来できなかった形状もできるようになっている場合があるため、複雑な加工は、最新の技術に対応できる専門業者への相談をおすすめします。

寸法

金属加工技術を選択する際には、加工する部品や製品の寸法精度の要件を明確に把握することが重要です。

寸法の精度が高い場合、精密な切削加工や塑性加工が必要になることがありますが、寸法の精度が低い場合は、粗加工や熱処理などの方法で加工を行うことができるかもしれません。

また、金属加工においては、寸法の許容範囲を考慮する必要があります。加工の精度や熱処理などによって、寸法が若干変動することがありますので、それを考慮した設計や加工が必要になるでしょう。

阪井金属製作所で扱う金属加工技術

ここまで、金属加工技術の種類と加工技術の選択のポイントをご紹介しましたが、阪井金属製作所では以下の金属加工技術に対応しています。

  • 切削加工
  • 研削加工
  • 特殊加工
  • プレス加工
  • 鋳造
  • 熱処理
  • 表面処理

その他の金属加工も我々の多彩なネットワークでお届けいたしますし、量産前には必ずサンプルを作成して品質をチェックいたします。

社内でも図面の読み方から機械の扱い方、技術まで教育に力を入れておりますので、実現可能な金属加工技術がどうか判断に迷われている場合など、気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。

金属加工のさまざまな悩みや問題を解決

金属加工のさまざまな悩みや問題を解決

私達は愛と誠実のモノづくりサポーターです

阪井金属製作所ではご用途に応じてさまざまな金属加工提案を行い、経験豊富なスタッフがお客様に寄り添いながらモノづくりでのお悩みやお困り事を解決いたします。

金属加工から試作、デザイン、設計、製作(組み立て)まで幅広く対応。海外調達でのコストダウンや100社以上と連携する町工場ネットワークによる業務の効率化の提案など、金属加工でのお悩み事をご相談いただけます。

また、日本のモノづくりを守っていくためにも、モノづくり企業の業績回復や事業承継などのアドバイスも行っています。事業でお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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