なぜ、海外調達を生業とするのか

2018年2月11日

阪井金属製作所の前身はネジ商社です。

なぜ私が海外調達を決断するに至ったか、
その理由をお話ししたいと思います。

約10年前、
会社の業況(債務超過)も良くない時期に
私は飛び込み営業をしておりました。

アポ無しの飛び込み営業、
そこである購買担当者にこう言われました。

 

「我々の業界は中国や韓国と熾烈な価格競争をしている。
日本製にこだわりはない、
とにかく安価で品質の良い製品を提供して欲しい。」

 

「私の仕事は購買業務。
1円でもコストを下げるのがミッション。
下げられなければ私はクビです。」

 

その言葉を受けて、私は中国にコネの無いまま
工場開拓に向かいました。

 

何とかサプライヤーも見つけて
当初は順調でした。

売り上げも順調に上がって行きそうな、
そんな時に事件は起こりました。

 

お客様から呼び出しを受け
納入した製品を見てみると
SUS316で納品したはずが
見事に錆びて(!)いたのです。

 

ミルシートも出したのに、なぜだ!
何かの間違いだと思っていましたが、
分析に掛けると判定はSUS416。

 

既に製品は溶接、組立されていたので
ユニットごと交換となりました。

残り僅かな納期で
見ず知らずの工場に泣きつき頭を下げ、
ギリギリで納入となりました。

 

後日、お客様に謝罪の訪問をすることに。
訪問前、我々では支払えないくらいの
ペナルティを課されるのでは無いかと
眠れぬ夜を過ごしました。

ただでさえ債務超過の会社。

 

祖父が興した会社を潰してしまうのでは無いか、
潰れるならスタッフの雇用は
お客様にお願いをできないだろうか、
そんな事をずっと考えていました。

 

厳しいペナルティは課されましたが、
担当者様の尽力もあり、
何とか窮地をしのぐことが出来ました。

中国工場にも賠償を求めましたが、
担当者はドロン。

中国で裁判を起こそうとも考えましたが、
中国人の友人に時間の無駄になると諭され
やむなく断念しました。

 

その他にも、
前払いをしてドロンされたり、
納期が間に合わず
ハンドキャリーで関空まで製品を取りに行き、
そのままお客様のラインにギリギリ乗せたりと
様々な(辛い)経験をしました。

 

が、この様な経験は
我々で良かったと思っています。

 

エンドユーザー様が、
この様なトラブルに巻き込まれでもしたら、
納期どころの問題ではなく、
厳しいペナルティ(会社、ご担当者様とも)を
課される可能性だってあるのですから。

 

それを未然に防ぐのが
我々のミッション(使命)
そう決意しました。

 

私たちが取引の中に入れば、
当然中間マージンが発生します。

 

しかしながら、予備知識のないまま
リスクの大きい海外取引を始めるより、
我々に品質、納期のコントロールを
お任せいただく事が最善の道ではないでしょうか?

 

その後、光学系のメーカー様と取引が始まり、
試行錯誤しながらも社内の品質管理に取り組み、
検査機器、検査冶具、測定器を揃え

2016年度は不良率0.037%

という海外調達では驚異的とも言える
不良低減を達成いたしました。

 

日本で行う仕事がある反面、
どうしてもコストを合わせるとなると
海外調達を行う必要があります。

 

その時に我々をお客様のそばに置いて頂ければ、
リスクを未然に防ぎ、
お客様の杖となる存在になれるかと思っております。

 

 

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